「合意は守らなければならない。」という意味のラテン語です。ローマ帝国以来、脈々と続いている契約の基本原理だと学生時代に教えられました。人と人が真に合意した事項についてはこれを守らなければならないというのが近代債権法の基本理論です。したがって、契約というものは本来相対立する両当事者がその合意によって自由に定められるものであり、しかしいったん自由な合意によって定められた以上、当事者はこの契約内容に拘束され、これを守らなかった場合には契約不履行責任を相手方に負うことになるのです。
もっとも、人間の行うことですので当該契約内容をどのように理解するのか両当事者が異なる解釈をする場合があり、また当該契約そのものに定めのない事項が発生した場合にはどうすればよいのか、ということが当然に起こり得ます。このような場合に備えて補充的にいろいろな法律が定められてその指針を示しています。
また、消費者や労働者等のように一般に社会的に弱者と認められるものとの間の契約の場合には、単に法律が解釈指針を示すだけではなく、当該法律に反する契約は無効であるとする強行法規といわれる法律もあります。
契約の解釈に際しては長年培われてきた膨大な裁判例の積み重ねもあり、当事者の意思や法律によっても適切な解釈が導かれない場合にこのような裁判例が役に立つことになります。
契約の解釈は当事者の意思を第一に理解すべきものですが、社会関係が複雑になれば、契約関係もそれに比例して複雑になります。
私たちは、このような現代における複雑な社会関係契約関係を直視し、依頼者のためにより適切な契約の成立に向けて助言し、また契約から発生したトラブルに対処していきたいと考えています。